■Aさん
・「思います」…………………… 33%
・「であります」「いたします」 10%
・「です」………………………… 8%
■Kさん
・「ね」「よ」…………………… 33%
・「思います」…………………… 10%
・「です」………………………… 7%
これは一体何か?
以前、朝日新聞に掲載されていた非常に興味深いデータです。
実は、あるトップリーダーの言葉の締めくくり方を
比べたものなのです。
Aさんの場合、「思います」と文を区切るのが
3分1を占めていますが、
Kさんだと「思います」はわずか1割しかない。
逆に「ね」「よ」が3分1を占めている。
このAさん、Kさんは誰かというと、
ズバリ、
安部首相 と 小泉元首相
です。
以前にも書きましたが、
語尾はその人の印象を決めてしまうくらい
とても重要なチェックポイントです。
例えば、
「そうなんです」と短く切るのと
「そうなんですぅ~」と言うのとでは
相手に与える印象が大きく変わってきます。
私も、とにかく語尾は短くするよう訓練させられました。
長いと、子供っぽく、だらしなく聞こえ、
さらには、わかりずらくなるからです。
となると、安部首相は小泉元首相より
「メッセージが弱い」
「あいまいな感じがする」
この世論調査の結果に納得せざるを得ないでしょう。
拙著(さよなら!あがり症)にも書きましたが、
言葉は短く、メッセージを1つに絞り込めば絞り込むほど
伝わりやすくなります。
結果、多くの人に共鳴していく。
「感動した!」なんて名言からもわかるとおり
ワンフレーズを多用した小泉元首相は、
多くの国民に印象付けました。
文節で分けてみても小泉元首相は1文あたり平均4.5文節。
安部首相は9.6文節と2倍以上!
安部首相は長いフレーズで答えているのがよくわかります。
もちろん、短ければいいってもんじゃありません。
メッセージ性は強くなりますが、
逆に単純化し過ぎて説明不足になる可能性があります。
こう考えると安部首相は丁寧に長く答えているので悪くはない。
でも、語尾の3分の1が「思います」なので、
「あいまい」な印象になっているのです。
ロングフレーズだろうとワンフレーズだろうと
その人のキャラクターに合っていれば、どちらでもOK。
ただ、言葉の締めくくり「語尾」だけは気をつけましょう。
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