8月9日から10日までの2日間にわたり、キャリアコンサルタントとしての研修のお仕事。お世話になっている企業様で、管理職を対象にしたキャリアデザイン研修の講師を務めさせて頂きました。ご存じない方も多いですが、2016年に国が法律で企業の経営者には従業員に対し、キャリアコンサルティングの機会と能力開発の支援を行うよう義務づけられています。但し、いじめ防止対策推進法と同じく、法律を破っても現状、罰則はありません。とはいえ、法律が施行され6年がたった今、全日空や味の素、ソニーやサントリーなど名だたる企業、上場企業はもちろん、中小企業においても従業員に対するキャリアデザイン支援を行う企業が増えています。それはなぜか?
・高度成長期に根付いた終身雇用・年功序列制度の崩壊
・技術革新の進展、産業構造の変化、労働者の就業意識の多様化等に伴う労働移動の増加
・職業能力のミスマッチ、雇用のミスマッチの拡大
このような背景から、「組織による労働者のキャリア形成」から「労働者自身によるキャリア形成」が大事だと気づいたのもちろん、国の施策、法で義務づけたキャリア支援が実際に「個人の主体的キャリア形成」と「組織の個性重視の経営」と同期して相乗効果が生まれ、お互いがwin-win関係に、働く人も元気、企業も元気になることが実績として現れてきたからです。しかも新しい社会的価値も創出できている。この国の施策によって日本企業が後れを取ったアメリカの企業に追いつこうとしているのです。
これに伴い、さらに文科省でも連動し、2017年からはナント、小学生からキャリア教育が実施されるようになりました。キャリアパスポートという学年や校種を越えて小学校から高校まで学習状況やキャリア形成を振り返る取り組みもスタートしています。自分の人生は自分で切り開いていける、自律的なキャリア形成能力を身に着けさせる教育を小学生が既に授業で受けているのです。知らなかった方はお子さんに聞いてみてください。
キャリアデザイン研修を行うと転職する人が増えるのではないかと心配する経営者の方がいらっしゃいますが、実際は逆です。離職率がグーンと下がり、企業も従業員も元気になっています。ちなみに、キャリアとは仕事をバリバリする人のことではありません。そういうイメージを持つ人が多いですが、決してそうではなく、プライベートも含めて、人生そのものがキャリアです。時短勤務で午後は子育てという主婦の方は、子育てというキャリアも積んでいるのです。
経営者に国が法律で義務づけたキャリア支援。まだ導入されていない経営者、人事担当者の方は1日も早い導入をおすすめします。メリットが非常に多い人材育成施策です。受けた方は自分らしく仕事ができるようになり、満足度が高まっています。従業員の士気低下、定着率、離職率に悩む経営者の方、ご興味を持たれて、話だけでも聞いてみたい、もっと詳しく知りたい、研修をお願いしたいというご相談があれば、遠慮なく私までご連絡ください。
国家資格キャリアコンサルタント 麻生けんたろう
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